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2021/12/22

高等学校

2学期終業式:校長式辞《インナーペアレントからの自立》

2021.12.22(水) 8:45 ~ 9:00 (15分)

 

学校長 坂東 修三

 

2学期終業式での式辞 ― インナーペアレントからの自立

 

全校生の皆さん、おはようございます。2学期の終業式にあたり式辞を述べたいと思います。

先ず、なによりも今日この日を皆さんとともに大過なく迎えることができたことを嬉しくおもいます。

 

振り返れば、今年もコロナに翻弄された一年でした。前半は、芸術鑑賞日を除けばすべての学校行事や特別活動がコロナの影響で中止に追い込まれ、学校全体に無力感や虚脱感が漂う時期が続きました。

 

そうした状況を踏まえて、2学期は、学校に活気を取り戻すべく、可能な限り感染予防に配慮しながら、行事を実施することに踏み切りました。同じ学び舎に学ぶ仲間としての連帯感やつながりは、学校行事を共有することによってしか生まれてきません。私たちは、共有できる思い出があって初めて、お互い仲間を仲間として認め合うことができるのです。そうした相互の承認の中から、私たちは前に進む力、エンパワメントを得ることができるのではないでしょうか。

 

幸い、全校生の皆さんの前向きな取り組みのおかげで、体育祭、学習発表会、校外学習さらには先日の球技大会も、有意義に終えることができました。該当する各学年の実行委員会や生徒会の皆さんのご尽力に対してこの場をお借りして改めて御礼申し上げます。ひとつだけ、高校2年生の修学旅行だけが、来年の2月に延期になったことは心残りですが、準備を入念にできる時間が増えたと前向きに捉えたいと思います。また、高2の皆さんは、高1のときにコロナ禍で経験することが出来なかった記念祭に代わる学習発表会を卓越した企画力と一糸乱れぬ統率力で大いに盛り上げてくれました。遅ればせながら、称賛の言葉を贈りたいと思います。

 

他方、部活動でも、各クラブが顕著な活躍を見せてくれました。引き続き、さらなる活躍を期待しております。また、秋も深まった11月には、料理部が女子大学の朝食コンクールで特別賞を受賞するという嬉しいニュースも届きました。これを機に皆さんとともに祝福したいと思います。また、高3生の皆さんは、進路先がすでに決まっている人やまだチャレンジが残っている人がいらっしゃると思いますが、残り少ない国本での生活をそれぞれの状況に応じて充実したものにしてください。

 

さて、明日から2週間の冬休みが始まります。年末年始のこの2週間は、クリスマスや大晦日さらにはお正月といったお祭り気分が支配する時期です。たしかに、デルタ株が猛威を振るった第5波の感染拡大は終息したように思われます。しかし、その一方でデルタ株の3倍の感染力を持つと言われるオミクロン株による感染が日増しに広がりつつある現状は、今少しの間、緊張を緩めないようにと私たちに注意喚起しているのではないでしょうか。どうか、明日からは、部活動が終われば、出来るだけステイホームを心がけるようお願いします。そしてステイホームの時を利用して、静かに自分と向き合う瞑想の時間を確保するように努めてください。落ち着いた黙想の中で、今年一年の自分をじっくり振り返ってみることを提案します。安易な自己肯定も、その裏返しの自己否定も控えてください。先ずは、あるがままの自分を見つめ、そこから来年はどんな自分になりたいのか、どんな自分になるべきかをあれこれ模索してはいかがでしょうか。明日からの2週間は、目指すべき自分が何かをじっくり検討することをお勧めします。そうすることによって、来年も成長の階段を一段一段昇っていくことができるのです。

 

ここで聞きなれない言葉をお伝えします。それは《インナーペアレント》という英語の言葉です。日本語に訳すと《内なる親》つまり《自分の心の中に住みついている親》あるいは《自分の中に内面化されている親》という意味です。今までの成長の目標は、《内なる親》(=インナーペアレント)の指示や命令に忠実に従うことでした。皆さんが子供の頃は、親の姿が見えないときでも、心の中に居る親の眼差しを意識したり、その声に耳を傾けたりして、自分の行動を抑制したり縛ったりしていたと思います。ここで言う《親》とは、ダブルミーニングで、文字通りペアレントの《親》のことであり、さらには《親》に象徴される《社会や世間のルールやマナー》のことでもあります。

 

心の成長の前段階の時には、《内なる親》を完全にインプットすることが問われていたと思います。言い換えれば、《親》や《社会》の要求を忠実に守れることが問われていました。しかし、成長の後半期を生きる国本女子の皆さんに問われているのは、インナーペアレント=内なる親》からの自立です。《インナーペアレント》から徐々に距離をとり、これまで《絶対化》していた《インナーペアレント》を《相対化》できることです。これからは、《インナーペアレント》とは異なる判断や決断をできるようになることが目標です。どんな行動をとるべきか、自分で決めてください。心の成長の後半期は《インナーペアレント》を相対化できることが成長の目安やメルクマールになります。

 

そしてそうした力や能力が国本女子の皆さんの心の土台となって、来年に目指すべき新たなる自分を築くことが可能になるのです。皆さんには、二重の成長が求められることになりますが、既に《インナーペアレントからの自立》という土台はほとんどの人が築き終わっていると思います。

明日から始まる冬休みの間に、どうか来年はどんな自分になりたいのか、どんな自分を目標にするのかを、ステイホームの落ち着いた環境の中であれこれ考えてください。皆さんの新しい《自分探し》に期待しております。

 

それでは、3学期には少し大人になった皆さんを見ることを楽しみにしています。2学期は本当にお疲れ様でした。以上で式辞とします。(以上)